2013年06月27日

擬態の話

ちょっと変わった生き物が昔から大好きなのですが、
エダハヘラオヤモリは「ちょっと」どころではない妙な生き物ですね。
すごく興味をそそられます。

このヤモリを観ていると擬態の不思議に
思いを巡らさずにはいられません。

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「擬態」とは「似せてだます」生物の戦略のこと。
物の本によれば「擬態」を大きく分類すると
「標識型擬態」と「隠蔽型擬態」の2種類に分けられるそうです。


簡単に言うと「標識型擬態」とは
「偽情報を目立たせて相手に伝えようとする擬態」であり、
「隠蔽型擬態」とは文字通り、
「背景にまぎれるような偽情報で身を隠して
自分の姿を相手に悟らせないようにする擬態」
ということになります。

エダハヘラオヤモリがどちらに分類されるかと言えば、
当然「隠蔽型擬態」ですね。
尻尾を枯れ葉に似せることで身を隠す戦略です。

考えてみると、
この擬態には枯れ葉に見せかけることで
天敵をだまして身を守る「防御」の機能と、
だまされて近付いてきた昆虫を食べちゃうという「攻撃」の機能
の2つがあるように思えます。


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ここでせっかくなので
カメレオンの擬態についても考えてみたいと思います。

カメレオンについての誤解で一番多いのが、
「カメレオンは背景色に体色を変化させ、同化することで身を隠す」
というものですね。


カメレオンは気分や体調の変化あるいは気温や湿度や光の変化で
体色を変えているだけであって、
背景色に合わせて色を変えることはできません。



でも、「だからカメレオンは擬態とは全く無関係の生き物である・・・」
と言い切れるかというとそうでもないような気がします。

コノハカメレオンのように
落ち葉の中に同化してしまうようなカメレオンもいますし、
パンサーカメレオンの♀のように茶色っぽい体色をして
木の幹と見分けが付きにくいのもいますよね。
これらは擬態の一形態と言ってもいいのかもしれません。


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一方で、わからないのはパンサーの♂。

体色を競い合うようにド派手に変化させて
めちゃくちゃ目立ってしまうわけですが、
これはどう考えても
先の「標識型擬態」にも「隠蔽型擬態」にも当てはまりません。
(そもそも似せる対象がない。)


派手な体色から『毒があること』を天敵に連想させて
食われないようにしているようには見えないし、
もちろん背景に同化して身を隠しているわけでもありません。

どうみても、「俺様はこんなスゴイ体色になれるんだぞ〜!」っと
オリジナリティを競い合っているようにしか見えないんですよね。
つまりパンサーの♂のローカリティごとの派手な体色変化は
「擬態」によって身を守ろうとしているものではなさそうです。

生物の世界は我々が考えるような
食うか食われるかという弱肉強食の食物連鎖下での生き残り戦略
という側面だけで説明のつくような
単純な世界ではないような気がしてなりません。

 

 

 

 

 

 

 

 

 



posted by カメレオン・ハート at 20:38| Comment(0) | TrackBack(0) | カメレオンの擬態 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする